動き出した象を追いかけて

SFCで学び、DeNAで働き、医学生。

医学部における教養科目の設置時期について

春休みです。人生で一番暇を持て余しているので、韓国まで愛するチームを追いかけました。

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医師のプロジェクトマネジメント
医学生は医師になるために医学部で学んでいます。今の医学部のカリキュラムでは医学生が教わることは医学のことがほとんど全てで、その他には少しばかり医療倫理や公衆衛生を学ぶのみです。

もちろん医師になるために医学の知識を身につけることは最重要事項であると思うのですが、医師に必要なのは医学知識と医療倫理だと言われると違和感を感じざるを得ません。

まず医師の多くは病院において勤務します。病院においてどのような役回りを行うのかといえば、患者の治療およびそれにあたる医療職のマネジメントを行うことだと思います。治療は当然ですが、「医療職のマネジメント」という部分の重要性が見落とされすぎているのではないかという気がします。

例えば、民間企業に置き換えると、患者はプロジェクトであり、医師はプロジェクトマネージャーに準えることが出来ます。プロジェクトマネージャーはプロジェクトのQuality/Delivery/Costを成立させるために全体観を持ってあれこれと考え、動きます。プロジェクトをワークさせるためには何かしらのメソッドが存在し、企業によってはトレーニングが行われていることも往々に存在します。

つまり、医師はQCDを成立させて患者を治療するためのマネジメントスキルを素養として有する必要性は高いのではないかと思います。

「医師も社会に出てから学べばいい」という意見への反論
先述のように、プロジェクトマネジメントについて民間企業内で研修があることも多いです。
学生のうちにはプロジェクトマネジメントなど学ぶことは滅多にないので、社会に出てから学ぶことのほうがむしろ自然だと思います。

こうした観点から、医師もなにも覚えることの多い学生時代ではなく、社会に出てから学べばいいという意見があって然るべきだと思いますが賛同できません。

多くの民間企業ではこうした概念を学ぶ枠組みが新人に与えられています。また、就職する多くの学生は、就職活動の段階においてその準備として、社会・経済の情勢、企業はどんなところか、なぜその企業を志望するか、組織で活きる自らのセールスポイントなどを検討します。ここの過程は社会で必要な事項の整理・気付きに一定の役割を果たしていると思います。

一方で、医学生は学生のうちにも、社会に出てからも民間企業に進む人のような機会は滅多にありません。だからせめてもの、学生時代にマネジメントの必要性に気付く機会くらいあっても良いのではないかと思います。

教養科目を高学年に学ぶべきだと思う
マネジメントの必要性を気付く機会を創ることを考えた際に、全ての医学生がその時間を取れるのは一般教養の講義だと思います。しかし、一般教養の講義はその多くが低学年に設置されており、多くの医学生は医学系の科目を学ぶ前にあるクリボーのようなものとして捉えていて、学生のやる気・必要性がないところに、何を教えようと筒抜けになります。

このような状況を鑑みた際に、医学科目を多く学び、臨床実習を経験し、少しばかり自らのキャリアやより良い治療提供を能動的に考えるタイミングで一般教養の講義を行ったほうが効果があるのではないかと思っています。

あくまでも思いついたアイデアをたらたらと述べてきましたが、これから医療資源とその分配が最適化されていく過程で医師の役回りは変わっていくのかもしれませんし、多くのクリニックでは経営効率などの面ですでにマネジメントされているのかもしれません。

ただ医学教育は医師になるためにあり、そもそも医師にはなにが必要なのかという問に、大局観を持って考えた際に、マネジメントを学ぶことは避けられないのではないかと思っています。