動き出した象を追いかけて

SFCで学び、DeNAで働き、医学生。

杉村太蔵というサムライ

尊敬する人は誰か?と聞かれると

杉村太蔵さん」

と答える。冗談だと思われることがほとんどだけど、本当だったりする。

 

直近の総選挙にて自民党からおバカ議員が当選し「杉村太蔵の再来だ!」といったコメントをSNSでよく目にしたが、尊敬する人物が何も理解されずに笑いのネタになってしまうのは悲しいので、敢えてあのキャラクターで立ち回っているという弁明の意も込めて杉村さんについて書いてみたい。

 

杉村太蔵さんとの出会い

杉村太蔵さんとの出会いは数年前のこと。

当時学生だった自分は某キー局の政治討論番組に呼ばれ、元国会議員としてゲストで招かれていた杉村さん、その他のゲストの方々とディスカッションをする機会を得た。

 

初見での感想は「お、杉村太蔵だ。やっぱりバカなのかなー。」というものだった。アナウンサーや女性芸能人は生の方がテレビで見るよりもずっとキレイだったが、杉村さんはテレビで見る姿と特に変わりはなかった。

しかしながら、収録の時間が進むにつれて杉村さんの人となりや能力の高さにどんどん惹かれていった。ほんの半日くらいだったが、席が隣の時間に色々と話してもらったこともあって、当初とのギャップを差し引いても強烈なインスピレーションを受けたのを覚えている。

 

杉村太蔵さんについて

「おバカな元国会議員」「料亭に行ってみたい」「薄口政治評論家」というような断片でしか知らない人も多いと思うので、自分の知る限り簡単に紹介したい。

〜高校卒業

北海道の旭川で生まれ、テニスに励む日々を過ごす。小学校時代に道内で優勝するも、全国大会で初戦敗退をした経験から全国優勝することを誓い、高校時代に名門柳川高校からのオファーを断り、北海道初の国体で優勝を成し遂げる。

大学入学〜ドイツ銀行での勤務

筑波大学に入学するものの中退。就職に困り、ビルの清掃員のアルバイトをすることに。しかしながら、腐ることなくトイレ掃除を励んでいるとドイツ銀行の人間に目を付けられ、ドイツ銀行に就職することになる。

政界入り〜

自民党が圧勝したこともあり比例代表で当選。当選直後のメディアが喜びそうな発言ばかりが目立ってしまっているが、本人の経験を活かし若者の雇用問題に取り組まれる。その後は一期のみで議員の職を失い、職がないという挫折を経験するも、元国会議員という経歴を活かしてユニークなタレント活動をされている。

 

メディアでは「おいおい」と言いたくなる話題性のある部分にしか触れることはないですが、

  • 学生時代にテニスに打ち込み全国優勝をした、信念を血の滲むような努力で実現する
  • 挫折を前にしても、目の前のことに精一杯に励むことで、チャンスを引き寄せている
  • 世あたりがびっくりするくらい上手(以下のインタビュー記事を参照)

という点で、本当にずば抜けている稀有な人なのだなと感銘を受ける。

 

参考までにいくつかURLを。

プロフィール(杉村太蔵公式ホームページより)

プロフィール(Wikipediaより)

インタビュー(杉村太蔵は薄味でもバカでもなかった!計算高くてこずるいヤツだった!)

 

テレビで共演したときに感じたこと

頭の回転が速い

修羅場を相当くぐり抜けてきた百戦錬磨の人なんだなと思った。

アドリブの討論番組でテーマもなかなか難解だったが、司会者から話を振られたり、発言に突っ込まれたらすぐに答えなければならない。しかも発言を使ってもらうためには目新しさを追い求めつつも、本質を外してはいけない。しかし、杉村さんは本質をしっかりと捉えつつも、その観点は自分になかったな!という回答をしていた。それも自分のキャラクターを踏まえて。

知識が豊富

人に見えないところで情報収集をすごいしているんだと思った。

収録中は多彩なトピックについて話が進む。他のゲストの芸能人は意味不明もしくは当たり障りのないコメントしかできない中で、杉村さんはどのようなテーマが飛んできても、現場でおきていることやファクトを持ち出し、そこに自分の意見を加えて答えていた。引き出しが確かで、多くないと出来ない。

とても雄弁

雄弁でこの人にとって本当に政治家って天職だったんじゃないかと思った。

プレゼンテーションは論理だけで話しても人の感情に響かないし、感覚で話しても疑いを持って聞いてしまうから、論理と感覚のバランスが本当に大事だと思う。杉村さんは論理と感覚が実に絶妙なバランスで、堂々としていて視覚に訴えかけてくるから、生で話を聞くとついつい話に引き込まれ、気づくと納得して自分までその気になってしまう。

周りへの気遣いができる

常に相手がどう思うのかを先読みしながら動くのが習慣になっているんだなと思った。

芸能人ぶることなく、フラットな関係で周りへの気遣いができる人だった。半日の収録ともなると疲れるし、出演者の盛り上がりに欠けるときもある。他のゲストの芸能人は一般の出演者とは交流を持とうとしない中で、杉村さんはテレビ慣れしていない一般の出演者に声掛けをしてくれたり、盛り上がりが欠けてスタッフが動き出そうとするのを感じ取って率先して明るい雰囲気を作ったりしていた。しかも、気を遣っていないように振る舞ってしまうところがすごい。

とにかく男らしい

ああ、この人はめちゃめちゃカッコいい、覚悟の据わったサムライなんだって思った。

こんなに素晴らしい人がこんな売り方をしているのはおかしいと思い、杉村さんに「なんでそんなキャラクターで売ってるんですか?」と聞いてみたら「今の仕事が結構好きだし、家族もあるからね。」と答えてくれた。

自分が首を傾げると、「芸能界もきみが思っているよりも結構楽しいところだし、この世界で生き残って家族を養っていくには自分はこうしたキャラクターで頑張らないといけないからね。」

続けて、「お笑いが面白いのはなんでだと思う?お笑いは次のタームには自分の席がなくなっちゃうかもしれないから、そうならないように死ぬ気で頑張るからなんだよ。競争がなくなったら終わりだよ。」と答えてくれた。

 

最後に

テレビで共演しなかったら絶対に勘違いしていたはずの人間なのに、わずかな時間を共にしただけで、テレビで笑いを取っている杉村さんを目にするたびに、日本は将来の偉大な政治家を失ってしまったかもしれないと思わされます。

やっぱり人って直接会って、直接話さないと分からないもんだと思いました。

最後にご本人はその気はないかもしれないけれど、未来の日本をよくするために、杉村さんにはもう一度立ち上がっていただきたいと思う。できれば政治のフィールドで。